Endless Summer

日記や本の感想など

「フラニーとゾーイー」と自意識過剰

自意識過剰から未だに抜け出せていない。30にもなれば思春期はとっくに終わっているはずなのに、未だに人の目を気にしすぎてしまう。自分がどう思われるかを気にしすぎてしまう。気にしすぎ、というのはあくまで自分の感覚なので、世間的には案外普通かもしれない。それでも周りの人はもっと自然に自分らしさを謳歌しているように思える。

文章を書くにもこの単語は気障ったらしいかなとか、この区切り方はかっこ悪いかなとか、そういうことばかり考えてしまって、どうにも疲れる。仕事のメールですらそう。何でも無駄に先回りして考えすぎてしまって、あることないこと心配するのをやめたい。

フラニーとゾーイーのフラニーみたいだなと思う。心を病んだ妹フラニーを兄ゾーイーが説得して再生させるというような小説なんだけど、フラニーは自意識過剰気味だから。彼女は人のエゴが気になって仕方がない。純粋な作家の批評でなく自分の頭の良さをひけらかすために批評をする教授やボーイフレンドに嫌気が差している。彼らを憎みながら心の奥底では他人の評価を気にしている自分自身も嫌っている。うんざりするエゴ。清貧に憧れて祈りだけをひたすら唱えて引きこもる彼女の気持ちが分かる。うるさい居酒屋の中で自分の静かな殻に閉じこもって酒を飲んでいる時は大体それと同じなんじゃないかなと少し思う。