Endless Summer

日記や本の感想など

また四月が来たよ

季節の歌というのがある。春夏秋冬それぞれで聴きたくなる歌。

今なら椎名林檎のギブス。暖かくなってきて、なんとなく外で飲みたいような気持ちになってくる時期。ああまた三月だ、春だと思うと、「また四月が来たよ」って歌詞を思い出す。思えば一番この曲を聴いたのは何年か前の3月から4月くらいの時期で、すっかり忘れていたけど体はそれを覚えていた。その時の温度や匂いだったり、夜の暗さだったり、肌触りも覚えている。思い出せばついでのように他の思い出まで湧いて出てくる。

思い出がなければ人は幽霊みたいなものかもしれないけれど、過去にばかり囚われている自分はいずれにせよ亡霊のようだ。後ろばかり振り返っては記憶を愛でて撫で回して、飽きては前を見て恐れて、生活に倦んで目の前のことを疎かにする。一体何なんだろうと自分で思う。惰性で生きていると言われても言い返せない。誰だって一皮剥けば似たようなものじゃないかとも思っているけれど。

暖かくなればビールを飲んで何でも忘れられるから季節が先に進むのが待ち遠しい。春よ来い。