Endless Summer

日記や本の感想など

英語コーチの面接に落ちた話

先日、在宅ワークの口があるというので応募して、面接まで進んだが落選した。某大手企業(日本で一番有名な結婚情報誌とか、転職情報サイトを作っている会社)が出していた求人で、この会社が運営している英語学習サービスのパーソナルコーチを募集するものだった。利用者の学習計画を立てたり、定期的に電話で勉強の相談に乗ったりするというのが主な仕事内容だ。一人だと勉強を続けられない人を励まして、継続のサポートをするというのも仕事に含まれる。

この求人の魅力は、1.「完全在宅ワーク」(ただし研修期間は数回だけ出社する必要がある)、2.「そこそこの報酬」、3.「長期間継続可」である。特に1については副業を探している会社員にはほぼ必須の条件ではないだろうか。2は具体的には覚えていないが、受け持つ利用者一人あたり月6000円ぐらいだったと思う。気になる人はまだ求人が出ているかもしれないので見てみてほしい。毎日チャットで質問が来る可能性があり、その対応はしなくてはいけないが、それ以外には3ヶ月に一度程度の電話面談(30分程度)をするだけで月6000円が安定的に得られるのは(在宅ワークとしては)悪くない報酬だと思う。短期プロジェクトの求人だと終わり次第また次の仕事を探す面倒があるが、3の条件があると仕事を探す手間が省けてラクである。

このような理由で採用されるのを楽しみに向かった。面接会場はこの会社の事務所なのだが、会社というよりはカフェのような内装になっており、オープンな雰囲気である。受付では面接の内容について簡単に書かれた案内を渡された。面接の後半では模擬コーチングをするらしい。これが採用・不採用を分けるポイントになるだろう。念入りにチェックしておく。準備をしながら他の人の面接が終わるのを待つこと約40分、別の小部屋に移動して面接となった。

1対1の面接で、面接官は若い男性社員。営業スマイルも全くなく、終始真顔である。先ほどのカフェから連想して、社員もさぞ明るくオープンなリア充感のある人たちばかりなのだろう、リ○ルートだし、と思っていたので意表をつかれた。無愛想というよりは仕事に疲れてしまった人という印象を受けた。

始まってすぐ志望動機と、「本業の会社が副業を認めているか」を確認された。こちらの受け答えは通常通り「明るく笑顔でハキハキと」を意識して行ったのだが、感触は鈍い。念の為に断っておくと、私は何回も転職していて面接慣れはしている方だ。受け答えが特別まずかった可能性は低いと思っている。

ところが、圧迫面接とまではいかないが事務的な雰囲気が漂っており、この時点であまり歓迎されていないことが伝わってきた。ありがちなのが「既に十分な人数を採用できているが、いまさらキャンセルも出来ないので形だけ面接をしている」というパターンだが、今回がそうだったかもしれない。私は志望動機として「英語を教える経験を積みたい」という話をしたのだが、この時に相手が微妙な顔をしたので、これがマイナスに働いた可能性もある。すでに英語講師の経験があって、かつ本業がない主婦・主夫を優先していたのか?もちろん真相は分からないが、可能性は高いと思っている。

それからすぐに模擬コーチングをすることになった。面接官が生徒(利用者)の役、こちらはコーチになりきって話をする。生徒の年齢や職業、TOEICの点数など大まかな設定は事前に渡された案内に書いてあったのでざっくりと段取りは考えていたのだが、いざ話し出すと生徒(面接官)がやけにぶっきらぼうなのである。声もめちゃくちゃ暗い。こっちは明るく話を振るのだが、何を言っても「はあ・・・そうですか」という感じで、質問しても一問一答形式になってしまう。全然話が広がらないのだ。英語以前の問題である。相手がノッてこないので段々と焦る。模擬コーチングの時間は10分くらいと聞いていたが、ものの数分で座礁した。どう考えても10分も話すような雰囲気ではない。

「実際の利用者はもうちょっと協力的に喋るのでは?」と内心思いながら何とか段取り通りに話を進め、英語学習に関するアドバイスをしたのだが、いまいち響いていない様子。「あー・・・なるほどぉ・・・」というピンとこない受け答えが何度か繰り返され、終了となった。面接官、面接と模擬コーチングで全くキャラが変わっていない。生徒役ちゃんと演じてくれよと思ったが、文句を言っても仕方ない。ここは彼らのホームグラウンドであり、これは彼らの採用なのだ。私はただ呼ばれてノコノコ来ただけの候補者にすぎない。

数日後、ご期待に添えなかったというメールが届いた。ですよね、と思わずつぶやく。これから応募を考えている方はぜひ上記内容を読んで対策を練ってから向かってほしい。