妻に今の家を離れることになって悲しいか聞いたら悲しいと言っていた。せめて一緒に悲しんでくれたらいいなと思っていたから、良かったというか、そうなんだ、と思った。どうしてこうなってしまったか納得が出来ていないと言ったら、家族に対するモチベーションが低いからだと思うと言われた。そうだろうな。こんな会話を何年か前にもしていて、自分もしつこいなあと思った。うじうじしすぎなのかな。
定期メンテナンスで歯医者へ。異常なし。普段とは違う衛生士さんが担当だった。施術中に入り口の方で「値上げは受け入れられません」と言っている院長の声が聞えた。強い口調だった。不動産の管理会社か何かの人が家賃値上げの連絡を持ってきたらしい。「10万円アップと言って半額の5万で納得させようとしているならいやらしいし、だからといって2、3万ならいいとかそういう話でもないです。値上げ自体を受け入れないというふうに伝えてください」と言っており、院内に丸聞こえであった。相手のおじさんは終始ふむふむ言って受け流している様子。最後にはとりあえず伝えましたので、と言って引き揚げていった。歯のことだけじゃなくこういうのも考えなきゃいけないというのは大変だ、遠くに移転とかになったら嫌だなと思った。
副業をしたりネットを見たりして過ごした。不動産屋からは新居の審査が進んでいる旨の最終確認が来ており、進めてくださいと伝えた。引っ越しの手配、したくない。パッキングもしたくない。思い出のあるものを捨てるのなんて一番したくない。気が重い。
吉本ばななの「デッドエンドの思い出」を読み返した。まさに今必要としている小説だった。音楽とか本とか、そういうものに少しずつ助けられている。
